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紫耀くんの相手役が知英ちゃんになる日まで

「友罪」映画化決定!!!

7月31日、衝撃的なニュースを私は見てしまった。

natalie.mu


ひいえええええええええ!!!

まじでえええええ!!!

嬉しすぎるんだけど!!!!

はい、落ち着きます。
まさか薬丸岳さんの「友罪」が映像として世に放たれるとは思ってもいませんでした。
しかも、

生田斗真×瑛太のW主演!!!

さらに高まりますよね。
今さらですが、私は自称強火薬丸岳先生担です。薬丸岳さんの作品が大好きで、ほぼ全て読んでます(まだ最新作読めてない…)。
薬丸岳さんの作品って後味がとてつもなく悪いというか、すごく考えさせられるというか、頭も心もグチャグチャになるような作品が多いのですが、それがヤミツキになります。
湊かなえさんのようなイヤミス*1とはちょっと違う後味の悪さがあります。
薬丸岳さんはミステリーだけでなく、非ミステリーも書かれます。「友罪」はまさに、その非ミステリーの作品の1つです。


そして薬丸岳さんはよく少年犯罪を題材にした作品を書かれます。
処女作である「天使のナイフ」も少年犯罪を題材とした作品です。この作品はある少年犯罪がさらにまた新たな少年犯罪をうむという少年犯罪の連鎖が表されています。
薬丸岳さんが少年犯罪を題材にしようと思ったきっかけは「女子高生コンクリート詰め殺人」だとご本人がおっしゃってました。この事件をきっかけに少年犯罪を調べ、少年犯罪に関した作品を多く書くようになったようです。
ちなみに薬丸岳さんが小説を書くきっかけになった作品が高野和明さんの「13階段」という作品なんですが、もちろん読了済みです。薬丸岳さんがどんな作品に影響を受けたのか、私も読んで感じたかったので(え)
13階段」も面白い作品でした。しかもこちらも高野和明さんの処女作なんですって!すごい!高野和明さんの有名な作品は「ジェノサイド」とかがありますね。「13階段」は死刑制度を題材とした作品なんですが、薬丸岳さん作品同様に読み終わった後はすごく考えさせられました。死刑制度も私たち1人1人が考えるべき問題ですが、目を背けてる問題ですね。



今回の「友罪」は、"もしあなたの同僚や恋人が、かつて日本中震撼させた殺人犯である少年Aだったら。"
という、なんとも重い内容です。正直本当に重い作品でした。

私がこの作品で面白いなと思ったところは、少年Aと疑われた鈴木側の視点が一切ないところです。
映画ではどのようにするかはわかりませんが、原作では鈴木の気持ちや考えていることは一切表現されていません。だからこそ、「鈴木は更生したのか、そうでないのか。それとも少年Aではないのか?」と、読者はすごく考えながら作品を読み進めます。薬丸岳さんは読者に考えさせる作品が多いです。
私が大好きな作品の「Aではない君と」*2も、いろんなことを考えながら読みました。こちらの作品は薬丸岳さんが作家デビューしてから10年の節目に発売されました。少年犯罪を題材とした作品を数多く書いてきた薬丸岳さんの集大成というか、薬丸岳さんが書きたかったものがこの1冊には詰まっています。

「Aではない君と」は"ある日、自分の息子が少年Aになったら…。"という、こちらもかなり重い内容になっています。被害者側のお話ってよくありますが、加害者側のお話って珍しいですよね。しかも少年犯罪なんて特に。
少年犯罪を題材に書き続けてきた薬丸岳さんだからこそ、書けた作品だと私は思っています。


「友罪」で鈴木側からの描写がないことには意味があると考えています。
私が考えるにそれは、長年少年犯罪を調べてきた薬丸岳さんでさえ、少年Aたちが更生したのか、何を考えているのかはわからないからではないだろうか。そして、現在の少年法は正しいのかどうか。私たちにとって永遠のテーマだと思うこの問題に関して、私たち読者に考えるためだったのではないでしょうか。
「友罪」を読んで思うこと、感じることは人それぞれだと思うが、それでいいんだと私は思っています。きっとこの作品に正解は無いんだと思います。


薬丸岳さんは、誰もが想像したくないことを作品として書く人です。

だからこそ読み終わった後は、スッキリなんてしませんし、いろいろ考えさせられます。
でも、私は薬丸岳さんの作品に出会わなければ少年犯罪や少年法について調べることも考えることもなかったです。薬丸岳さんの作品に出会えて本当に良かったと思っています。


今回映画化が決まった「友罪」も、見終わった後にすごく考えさせられる作品になると思います。
映画を見た方が、少年犯罪や少年法についてもっと考えるようになれれば、人ごとではないと感じてくれたら、それ新たな一歩に繋がると思います。


現在のメディアは規制が強く、良い作品が民放で放送しづらくなっています。
優馬くん主演ドラマ「北斗」や、薬丸岳さん原作「天使のナイフ」も民放では放送できそうになく、WOWOWで放送されました。
「友罪」も変に削らず放映して欲しいですが、難しい部分が多々ありますので、だいぶ編集されるでしょう。
難しいでしょうが、良い意味で規制が緩くなればいいですね。



さてここまで書いてきて、「友罪」のネタバレはなしです。
来年公開ということもあり、まだまだ原作を読む時間はありますので、手に取ってみてください。
私も読んだのが1年以上前なので、読み直してみようかと思います。


良いことばかり書いてきましたが、「友罪」は読んだことによりつらい気持ちになる方もいらっしゃると思います。
きっと「酒鬼薔薇事件」を思い出す方もいると思います。現に、この作品を出版後、「酒鬼薔薇事件」の少年Aが「絶歌」*3という本を出しました。薬丸岳さんの作品に影響されたのかもしれませが、事実はわかりません。
ただ勘違いして欲しくないのは、その事件と「友罪」は別物だということです。事件の犯人である少年Aがこの作品通りであるとかそういうことではありません。

嫌な気持ちになることもあると思いますが、私は「友罪」を読んで良かったと思っています。


来年公開の映画が楽しみですね\(^o^)/

以下参考書籍。

友罪 (集英社文庫)

友罪 (集英社文庫)

Aではない君と (講談社文庫)

Aではない君と (講談社文庫)

*1:嫌なミステリー

*2:文庫版が発売されたばかりなので、是非読んでください

*3:現在は販売されてません